漢字の形作り⑦
文字を書くのに正解はひとつではありませんが、守らなければならないことはいくつかあります。
「口」の書き方
- 口は逆台形になっている
「口」は印刷文字だと正方形のものが多いですが、手書きの漢字は、上の横線が下の横線より長い逆台形です。
同じく「四」「西」「中」「田」など四角形の漢字は全て逆台形です。
言うのは簡単ですが、縦線を均等に内側へ向かうのは結構難しいんです。この形が崩れるとアンバランスになってしまいます。
- 「口」の最終画の横線は横が出ている
上の漢字を見ると、口だけが最終画の横線が長いです。他の四角形は全て2画目の縦線が長いです。また、
「中」は「口」から縦線が出ているので、横が長い
「申」「甲」は「田」から縦線が出ているので縦が長い
「口」が横線が長い、を基本にし、「口」に横線が入っている字は縦線を長くすると覚えましょう。
書き方が二通りある漢字
漢字は書き方が一つしか正しいものがない、というわけではありません。ここではどちらでも間違っていない漢字を紹介します。
① ② 同様に「新」「築」「探」など下に木がつく漢字はホにできます。
③ 同様に「池」「地」など
④ 同様に「臭」「大」「実」など。
⑤ 同様に「日」「目」「青」など。教育漢字はくっつけますが、少し空間があった方 がすっきりします。
⑥ これは他に「雨」「西」などが近く、一画目の横線を長くしても短くしてもいいで す。天のように下の横線が短くなることはないですが。
①②も④も、教育漢字は右払い左払いをしますが、払いをしない方が書きやすく、速く書くには良いと思います。楷書ではなく行書じゃないのか、と思う人もあるかもしれませんが、ちゃんとした楷書です。
このようなどちらの書き方でもよい、という形態を許容の字体といいます。
こうやって書いていくと結構たくさんあることに気づかされました。引き続きお伝えします。