硬筆書写技能検定 行書の勉強法
硬筆書写技能検定 2級、3級の行書の書き方
3級検定試験問題の第2問、第3問に出題される行書 についてです。
書道を習ったことがあれば、行書と聞いても違和感がないと思います。でも日常で仕事や申込書や届出等をするときの手書きは、丁寧な楷書が求められますね。
そのため、あまり行書には縁がなく生活している人も多いと思いますが、書道の検定試験となると楷書だけでなく、行書や草書が書けることも求められてきます。
検定試験で特に行書が上手く書けずに苦労している人もたくさんいますので、もう少し行書について説明します。
行書の練習で気をつけること
何回か書いていますが、2級、3級の合格ラインは、それほど高度な行書を必要としていません。難しい字を使っても採点にはあまり響かないと思います。(一年に一度、成績上位者は表彰されますのでそれを目指していれば別かもです)
ただ、行書のことをよく理解せずに「楷書を少し丸く、右上がりに、線を続ければいい」と思うのはよいことではありません。
検定の問題は印刷文字から自分で考えて行書にするので、法則として理解するのはよいですが、やはりテキストや字典を見て手本にし、どんな行書があるのか、形はどのように書けばいいのかを確認して、何度も書いてみましょう。
書いて覚えることによって、試験当日書いたことのない漢字が出てきたとしても、今まで習ってきた漢字を元に応用することができます。
それを踏まえて2級、3級検定問題に合う簡単な行書の紹介をします。
硬筆書写技能検定3級の行書の書き方
行書は、字を速く書くために生まれた書体ですので、線を続けたり省略したりできます。ただし、速く書くだけではなく、見やすさも必要です。
例として、「日」「口」を挙げました。
楷書 行書 楷書 行書
行書は線をつなげたり省略する書体と言ってもむやみやたらに続けまくってはいけません。字が見づらくなってしまいます。
「日」のように線がつながっているように見えれば、実際つなげなくてもいいです。一つの字に1カ所、画数が多ければ2カ所つなげれば十分です。
「口」は画数を省略して、最後の横線を短くしています。ここまで短くしなくても少し丸みを帯びさせれたり、少し口を開けると行書になります。
これもやり過ぎないこと、そして楷書はその分きっちり書かないと楷書と行書の区別がつかなくなります。
楷書 行書
1カ所開けるだけで十分です
楷書 楷書 行書 行書
右払いの楷書は、払うにしろ、止めるしろ、きっちりと書く事です。
ここで楷書を慌てて速く書いて少しでもはねたり下へ向けたりすると、行書っぽいと採点されるかもしれません。
楷書 行書 行書
楷書の場合は、均等に書くと丁寧に見えますが、行書はそれほど気をつけなくてもいいです。
また、楷書に比べて少し右上がりにする方が楷書と行書の違いが出るのでいいと思います。
楷書 行書
「目」「首」など2カ所以上横線があるときはどちらか一方を離します。
覚えた方がいい行書の「へん」
もちろん行書で省略した「へん」で覚えなければならないのは、これだけではありませんが、結構出題しやすい漢字が多いと思います。「てへん」「きへん」は間違えやすいので気をつけましょう。
「さんずいへん」はこのほかにも色々な書き方があります。調べて一番書きやすい形を一つだけ覚えれば便利です。