硬筆書写技能検定 理論問題の勉強法③
硬筆書写技能検定 3級理論問題
第9問 草書
第9問は漢字の草書を常用漢字の楷書に戻す問題です。
常用漢字の楷書は、払いやはねのちょっとした違いはありますが、概ね一通りと思っていいです。ただし草書は、古典でいろいろな書家がいろいろな草書を書いて残しており、一つの漢字に何種類もの草書があります。それも普段知っている漢字からほど遠い形の草書が山ほどあります。
ですので勉強方法に悩むところですが、3級の問題には判別できないような問題は出ないです。少しは出てしまいますけど。
ここで問題例を見てみます。
平成11年第1回検定より
回答は、
①海峡②着工③歳月④経⑤昨年⑥開通⑦激流⑧幾多⑨困難⑩完成
回答は↑です。
全文の内容は↓です。(全て直すと誤りになります)
明石海峡大橋は着工から10年という長い歳月を経て昨年4月開通した。毎秒4メートルを超える激流の中、幾多の困難を乗り越えて完成した世界一長いつり橋である。
あらためて問題と回答を見ると、やっぱりこの字なんだ、と思った字はありますよね。たとえば、
2の「工」3の「月」、5の「昨」、8の「幾」、9の「困」、10の「完」などはなんとなく読めませんか。
そこで、2を例にとると、
大橋は〇工から10年という・・
と続くとき、
・「〇工」の熟語で
・〇の上が「𦍌」に似てる
…とすると「着工」?
のように記憶を引き出すと成功です。
この調子で、
〇〇〇〇大橋は「〇石〇〇大橋」・・「明石海峡大橋」と出てくれば尚良いです。
テキストや参考書をめくって、問題になりそうなへんとつくりを部分的に覚えておくのも役に立ちます。
1.海峡は、左の⭕️がさんずい、右がやまへん
6.開通は、上の⭕️もんがまえ、下がしんにょう
9.困難は、くにがまえに木で困、難は右がふるとり(隹)
草書が読めず困った場合、一つの文章を読んで意味は通ってるので、意味を推察して答えを出します。
白紙でも間違いでも0点になるので、カンを働かせて埋めた方がいいです。
勉強方法は、字典や、検定用のテキストに記載されている草書を確認して、へん、つくり、かんむりのパーツごとに覚えると色々パーツを組み合わせて草書が作れるので応用がきいて便利です。
それでも難しければ、1問10点なので、他の問題に力を向けます。
実技と理論併せて60分で仕上げるので、あまり理論に時間をかけると実技が落ち着いて書けなくなってしまいます。
逆も考えられるので時間配分は予め決めておきます。
全部不正解では困りますが、あまり1問にこだわらないでリラックスして臨みましょう。
この本に試験例、過去問が載っています。
この本は基本的な楷書、行書、草書の字体が載っています