字が上手になりたいんです!!

ペン習字教師20年でつちかったノウハウと日々のこと

硬筆書写技能検定 実技の勉強法④

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硬筆書写技能検定 3級検定実技問題

 

第4問  楷書(かい書)の横書き

 

    楷書の横書きは、日常でよく書いていると思います。

    検定試験には時間制限もあり悠長なことしていられませんが、楷書は「ていねいに書く」が基本なので、できる限り実践したいところです。

 

楷書の横書き問題に大切なこと

 

1.落ち着いて、間違えないで書く

 →一度問題を黙読し、句読点、間違えやすい字を確認する。書いた後もう一度確認。

 

2.万一、間違いに気が付いたら斜線を一本引いてわかりやすく訂正する。

 →字の近くに書くところがなければ下の空いている行に書いてもよい。

 

3.左右の余白(行頭、行末)を同じくらい空ける。→書く前に鉛筆で薄く線などを付けて書く。あとで必ず消す

 

4.字の大きさを揃える(漢字はかな(ひらがな、カタカナ)、アルファベットより大きく書く)

 

解答例です。

 

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 良くない例です。

 大きさがそろっておらず、左右もバラバラです。f:id:rin0503pen:20171106101101j:plain

 

直した方がいい箇所を加えました。

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 〇 少しでも字の線がつながったり、省略したりすると楷書でなく、行書と思われて減点となる可能性もありますので、一画一画ていねいに書くことが大事です。

 

 〇 アルファベットも必ず出題されますが、できれば改行しないで続けて書いた方がいいです。字配りの中でどうしても改行する場合は、行末に「-」を加えて続けます。

 

 〇 数字は改行しないで書きます。どこに数字がくるかを見極めて、字間を目立たない程度にさりげなく広くしたり、狭くしたりして、改行しないように配置します。

 

 縦書きや行書が苦手な人は、横書きで良い点数をつくように何度も書いて練習し、字配りや字の大きさなどに慣れておきましょう。

 

硬筆書写技能検定 行書の勉強法

 

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 硬筆書写技能検定 2級、3級の行書の書き方

 3級検定試験問題の第2問、第3問に出題される行書 についてです。

 

 書道を習ったことがあれば、行書と聞いても違和感がないと思います。でも日常で仕事や申込書や届出等をするときの手書きは、丁寧な楷書が求められますね。

 そのため、あまり行書には縁がなく生活している人も多いと思いますが、書道の検定試験となると楷書だけでなく、行書や草書が書けることも求められてきます。

 

 検定試験で特に行書が上手く書けずに苦労している人もたくさんいますので、もう少し行書について説明します。

 

 行書の練習で気をつけること

 

 何回か書いていますが、2級、3級の合格ラインは、それほど高度な行書を必要としていません。難しい字を使っても採点にはあまり響かないと思います。(一年に一度、成績上位者は表彰されますのでそれを目指していれば別かもです)

 

  ただ、行書のことをよく理解せずに「楷書を少し丸く、右上がりに、線を続ければいい」と思うのはよいことではありません。

 

 検定の問題は印刷文字から自分で考えて行書にするので、法則として理解するのはよいですが、やはりテキストや字典を見て手本にし、どんな行書があるのか、形はどのように書けばいいのかを確認して、何度も書いてみましょう。

 

 書いて覚えることによって、試験当日書いたことのない漢字が出てきたとしても、今まで習ってきた漢字を元に応用することができます。

 

 それを踏まえて2級、3級検定問題に合う簡単な行書の紹介をします。

 

硬筆書写技能検定3級の行書の書き方

 

 行書は、字を速く書くために生まれた書体ですので、線を続けたり省略したりできます。ただし、速く書くだけではなく、見やすさも必要です。

 

 例として、「日」「口」を挙げました。

    

    楷書                   行書                  楷書                 行書

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 行書は線をつなげたり省略する書体と言ってもむやみやたらに続けまくってはいけません。字が見づらくなってしまいます。

 

 「日」のように線がつながっているように見えれば、実際つなげなくてもいいです。一つの字に1カ所、画数が多ければ2カ所つなげれば十分です。

 

 「口」は画数を省略して、最後の横線を短くしています。ここまで短くしなくても少し丸みを帯びさせれたり、少し口を開けると行書になります。

 

 これもやり過ぎないこと、そして楷書はその分きっちり書かないと楷書と行書の区別がつかなくなります。

 

楷書           行書

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             1カ所開けるだけで十分です

 

楷書         楷書        行書        行書 

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 右払いの楷書は、払うにしろ、止めるしろ、きっちりと書く事です。

 ここで楷書を慌てて速く書いて少しでもはねたり下へ向けたりすると、行書っぽいと採点されるかもしれません。

 

楷書            行書          行書

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 楷書の場合は、均等に書くと丁寧に見えますが、行書はそれほど気をつけなくてもいいです。

  また、楷書に比べて少し右上がりにする方が楷書と行書の違いが出るのでいいと思います。

 

楷書            行書          

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 「目」「首」など2カ所以上横線があるときはどちらか一方を離します。

 

覚えた方がいい行書の「へん」

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 もちろん行書で省略した「へん」で覚えなければならないのは、これだけではありませんが、結構出題しやすい漢字が多いと思います。「てへん」「きへん」は間違えやすいので気をつけましょう。

 「さんずいへん」はこのほかにも色々な書き方があります。調べて一番書きやすい形を一つだけ覚えれば便利です。

 

 

 

 

 

硬筆書写技能検定 実技の勉強法③

 

 

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硬筆書写技能検定 3級検定実技問題

 

第3問 行書の縦書き

 

    行書の縦書き問題です。

    行書は第2問でも出題がありましたが、楷書が一画一画丁寧に書くのに対して、行書は続け書きをしたり、線を省略したりする書体です。行書よりもっと省略した形が草書で、これは理論問題第9問に出題されています。

    勉強方法は次の点を注意しながら、縦書き文に慣れることです。最近は横書きで書くことが増えています。また、行書を初めて書くという人もいると思いますのでまずは書いて慣れましょう。

 

(3級検定の)行書を書くための注意点

 

※行書は楷書から生まれたわけではありませんが(難しくなるので理由は省きます)、ここでは楷書を基準に説明します。

 

  1.  行書の漢字はあまり続け書き、省略をしすぎない→準1級、1級検定であれば必要となりますが、3級は楷書を1箇所か2箇所線を続けるくらいにした方が無難です。
  2.  楷書より丸みがあり、少し右上がりの字にする。

 

縦書き文を書くための注意点

 

  1.  漢字よりひらがな・カタカナを少し小さめに書く
  2.  漢字、ひらがな、カタカナはそれぞれ同じ大きさにそろえる
  3.  中心をとおすように書く
  4.  上下の余白を取る

 

解答例です。

 

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このボールペンのブラックで書きました。書きやすいです。

 

次は、問題のある解答例です。

 

 

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注意する箇所です。

※上下の余白をはみださないようにしましょう

 線を続けて書きすぎている

② 字が大きすぎる

③ 中心からずれている

④ 漢字が小さすぎる。ひらがなより大きく書く

⑤ 「孤」のつくりが「爪」になっている

  正しくは「瓜」。字の間違いがないように確認する。間違いに気づいたら間違った字に斜め線を1本引いて、字の近くの空白箇所へ正しい字を書く(第1問速書きと同じ方法)。

⑥ ひらがなが大きすぎる

⑦ ひらがなが連綿になっている

 「連綿」は行書や草書の文章を書くとき、ひらがなとひらがなを続けて書くことですが、問題に「連綿は使わない」とあるので使用しない

⑧ サザンカ」の「ン」が抜けている

 分かりやすく挿入する(第1問速書きと同じ方法)。できるだけ字を抜かさないように気を付ける

⑨ 「抑」のつくりが「卯」になっている

 ⑤と同様に訂正する

⑩ 「い。」の〇が抜けている

 句読点に注意する

 

 

縦書きの文章の詳しい書き方や練習方法はこのブログで紹介しています。↓

のぞいてみて下さいね。

 

 

rin0503pen.hatenablog.com

 

 

rin0503pen.hatenablog.com

 

 

 

 

 

硬筆書写技能検定 実技の勉強法②

 

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硬筆書写技能検定 3級検定実技問題

第2問 漢字(楷書・行書)

 第2問は5通りの2文字熟語を、楷書と行書で書く問題です。

 楷書は常用漢字として普段使っている漢字です。行書は漢字をを速く書くためのものであり、楷書を少し崩して書きます。

 

 筆記用具は自分の使いやすいものを2,3本用意しておきましょう。途中でインクが出なくなるなど何が起きるかわかりません。

 

 筆記用具の種類は、ボールペン(水性、油性、ゲルインク等)、細字のサインペン、万年筆などでしょうか。あまり細いと字がか弱く見えたり、太いと繊細さがなく子供っぽい字になることがありますが、筆圧が強い人は細いペン向き、弱い人は少し太いペンでもいいかもしれません。

 何本か試して自分に合う筆記用具を探して下さい。

 

  

 

 

 練習方法

 3級は常用漢字が出題されます。楷書と行書は他の問題にも出題されているので、全ての問題の勉強になるので重点をおいてもいいでしょう。

 それにしても漢字の量が膨大です。全ての漢字を習ってモノにするのは大変な作業ですので、勉強法としては、

  1.  過去に出た問題をひろって何度も書いてみる→出題傾向もわかるし結構同じ漢字も出ている
  2.  縦に10文字書くので1字1字大きさを揃える。楷書と行書の大きさも揃える
  3.  同じく中心を揃える
  4.  楷書は丁寧に書く
  5.  行書は崩しすぎない→字典などを見ると色々な形の行書があります。よく分からない形を覚えても、本番で違う字になっていることがあるので、楷書の線と線がつなげるくらいで充分です。

 ※ 試験では下書き(鉛筆で書いてなぞる)はできません。一発勝負で、何もなくても真っ直ぐ書くことも問題の一環でもあるからです。鉛筆で中心の印や補助線をつけることはできるので、薄く引いて必ず後で消してください。

 これだけで字がまとまってきます。

 

 例を挙げます。

 

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下は気を付ける箇所です。

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 行書を書くときの注意点

 

 上の字を見ると、「内」や「意」の行書は、行書らしさを出そうと思って線をつなげ過ぎています。あまりやり過ぎてもよくありません。

 また、「容」の行書は、草書になってしまっています。こういう字を知らずに覚えて書くのは危険です。

 

 「意味」を拡大しました。↓

  行書も「意」の「日」や、「味」「未」の横線がつながっているだけで行書です。

 「意」の「心」や、「味」の「口」もつなげて書きましたが、自信がなければつなげなくてもいいです。あまりやり過ぎないことです

 右払いで楷書と行書の違いを出すのも方法の一つです。

 楷書は形を整えるために上下左右に少し余白を作ります

   

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 書くときの注意点  

 

 解答用紙の1字のマス目は2✕2㎝です。このような補助線を引いてください。

 中心を取る事、あまり大きすぎたり小さすぎたりしないように上下左右に少し余白を取って大きさを整えると字がまとまります。 

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 もちろん字の練習も大事です。

 苦手だと思う漢字を字典やテキストで確認しながら何度も書いて習得しましょう。

 漢字の形の取り方は、このブログでも紹介しています(漢字の形作り①~⑧)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

硬筆書写技能検定 実技の勉強法①

 

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硬筆書写技能検定 3級検定実技問題

  

 硬筆3級検定の理論問題の次は、メインの実技問題です。

 実技と理論は両方合格点に達していないと、合格にはなりません。

 理論がどれだけ出来ても実技が出来ないと合格にはならないと言うことです。もちろん逆も然りです。

 しかし3級であれば、少し字に自信がない人でも、いくつかのルールを覚えて実行すれば合格ラインに達すると思います。

 検定協会のホームページに問題例と回答例が載っています。このブログにも問題例を載せています。

 一度試してみてくださいね。

www.nihon-shosha.or.jp

 

 

rin0503pen.hatenablog.com

  

 それでは実技問題第1問目は速書き問題です。

第1問 速書き 

 

 問題例です。

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 試験問題の解答順は、理論からでも実技からでも、苦手問題からでも得意問題からでも60分で終えれば自由ですが、第1問目だけは一番最初に一斉に行います。

 所要時間は1分黙読、4分で書きます。

 

 進行

 

1.最初に試験問題をもらったら、第1問目の問題用紙を裏向けします。(地方によっ方法が違うかも知れません・・)

 

2.試験官の合図で、1分間の黙読をします。

 

3.1分後、試験官の合図で書き始めます。

 

4.4分後、終了し解答用紙が回収されます。

 

 注意点

 

1.黙読の時間で自分の間違えそうな字、句読点などじっくり確認します。ペンで書き込みなどはできません。

 

2.速書きは想像以上に緊張します。黙読をしながら手が緊張しないように力をぬきましょう。

 

3.字を丁寧に書きすぎないでください。速書きは全部書ことが第一です。字は読める程度で良いくらいに思った方がいいです。途中で時間切れになることが一番の惨事です。

 

4.速書きは3分で書き終えるよう練習しましょう。遅くても3分30秒で書き終えて、あとの30秒~1分は書き漏れや間違いがないかを入念に確認します。間違いが見つかったら落ち着いて訂正しましょう。訂正の仕方は次で説明します。慌てて間違った箇所を黒く塗りつぶしたりしてはいけません。

 

5.繰り返しになりますが、読めないほどの乱筆にならない限り、とにかく全て書き終える、そして間違えないように書くことが一番です。

 

訂正するときの注意点

 

 解答例です。

 

 

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 間違えないのが何よりですが、検定試験本番は何が起こるか判りません。間違ってしまったときの対処法は覚えておきましょう。

 間違ったら一本の斜め線を引いて訂正します。二重線の必要はありません。

 字を抜かしてしまった場合、書ける場所へ挿入します。上でも下でも横でも、字が重ならないように判りやすく訂正します。近くに書く場所がなければ、下の空欄まで矢印を引いて訂正してもいいです。

 

書き方の注意点

 

解答例です。

 

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この解答は全て書けていますが問題点があります。

 字が大きすぎる

 字が波打っている

 字が小さすぎる

 字間がそろっていない

⑤⑥ 数字など改行すると意味が通じないところで改行しない。この場合1762は詰めて1行に書く

 ただしあまり神経質に考えなくても、数字や小さい「っ」などを途中で改行しない程度で良いです。

 

 また、左と右の空白を揃えること、文章の字の大きさを極端に変えないことなども気を付けたいところです。

 他の課題は丁寧、正確を大切にします。速書きも読めなければ意味がありませんが、とにかく、

      速書きは全文を1字ももらさないように書く

を目指してください。

 

 

 

硬筆書写技能検定 理論問題の勉強法④

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硬筆書写技能検定 3級理論問題

 

 

第10問 間違い探し

 

 

 第10問は常用漢字で書かれた文章の中に、常用漢字でないもの(線や点が抜けていたり多かったりするもの、旧字体、書写体で書かれているもの等)を探す問題です。

 間違っている箇所は10問です。間違いが8箇所しかないときは、あと2箇所隠れています。

 これが案外難しいです。

 

 問題を見てみます。

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 平成11年第1回検定問題

 

上のが誤った字が書かれています。

どこが?と思う箇所もありますよね。

 

① 

右上の点がありません。

「専」は逆に点がないので、点有りの問題が出るときがあります

② ③ 恐竜

「恐」は右上の「凡」の真ん中の点がありません。

「竜」は「田」になっているところ、「由」のように上の線が飛び出ています。

点が無い、もしくは有る、という間違いや、出てない箇所が出ている、もしくは逆という間違いはよく出題されます。

④ 

 判りづらいですが、上の「口」の中にある小さいが右下に付いているところ、問題では左下に付いています。

⑤ 

  問題は真ん中の縦線「ı」と「又」がつながっており、画数が全部で4画になっています。正しい画数は5画で「ı」と「又」が離れています。

⑥  

 「己」が「巳」になっています。これも出やすいです。

⑦ 

  「幺」の最後の点が無く、次の左払いとつながっています。

⑧ 層 

 「尸」の「口」の左線が無く、「コ」になっています。

 このように線が付いている、離れているというのもよく出ます

⑨ 

 この問題の中で、一番難しかったです。

 問題は縦17.3㎝横8.3㎝ の枠内にあります。字が見にくいということは有りませんが、この問題は、「女」の右上に点が付いています。

 よーく見ないと見過ごします。こういう問題もありますので気をつけて。

⑩ 

 はつがしら(癶)の右の「”」が1点しか付いていません。2つの点のところ1つの点しかないという問題もよく出ます。

 

 他の「然」「膚」「卵」なども、この字で合っているのか不安になるよう字が揃っていますね。

 自分の書いている字が間違っていないかと惑わされることも多いと思います。正しい常用漢字をしっかり覚えることが必要です。

 

 この問題の場合、わからない時に苦心してひねり出して空白を埋めたり、合っているのに間違っていると思って訂正しないことが重要です。9問しか見つからなかったら無理して10問答えないで、9問だけ回答するようにしてください。

  

硬筆書写技能検定 理論問題の勉強法③

 

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硬筆書写技能検定 3級理論問題

 

 

第9問 草書

 

 第9問は漢字の草書を常用漢字の楷書に戻す問題です。

    常用漢字の楷書は、払いやはねのちょっとした違いはありますが、概ね一通りと思っていいです。ただし草書は、古典でいろいろな書家がいろいろな草書を書いて残しており、一つの漢字に何種類もの草書があります。それも普段知っている漢字からほど遠い形の草書が山ほどあります。

 ですので勉強方法に悩むところですが、3級の問題には判別できないような問題は出ないです。少しは出てしまいますけど。

 

 ここで問題例を見てみます。

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平成11年第1回検定より 

 

回答は、

①海峡②着工③歳月④経⑤昨年⑥開通⑦激流⑧幾多⑨困難⑩完成

回答は↑です。

 

全文の内容は↓です。(全て直すと誤りになります)

明石海峡大橋は着工から10年という長い歳月を経て昨年4月開通した。毎秒4メートルを超える激流の中、幾多の困難を乗り越えて完成した世界一長いつり橋である。

 

 あらためて問題と回答を見ると、やっぱりこの字なんだ、と思った字はありますよね。たとえば、

2の「工」3の「月」、5の「昨」、8の「幾」、9の「困」、10の「完」などはなんとなく読めませんか。

 

そこで、2を例にとると、

 大橋は〇工から10年という・・

と続くとき、

・「〇工」の熟語で

・〇の上が「𦍌」に似てる

…とすると「着工」?

のように記憶を引き出すと成功です。

 

この調子で、

 〇〇〇〇大橋は「〇石〇〇大橋」・・「明石海峡大橋」と出てくれば尚良いです。

テキストや参考書をめくって、問題になりそうなへんとつくりを部分的に覚えておくのも役に立ちます。

1.海峡は、左の⭕️がさんずい、右がやまへん

6.開通は、上の⭕️もんがまえ、下がしんにょう

9.困難は、くにがまえに木で困、難は右がふるとり(隹)

 

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    草書が読めず困った場合、一つの文章を読んで意味は通ってるので、意味を推察して答えを出します

    白紙でも間違いでも0点になるので、カンを働かせて埋めた方がいいです。

 

 

     勉強方法は、字典や、検定用のテキストに記載されている草書を確認して、へん、つくり、かんむりのパーツごとに覚えると色々パーツを組み合わせて草書が作れるので応用がきいて便利です。

 

  それでも難しければ、1問10点なので、他の問題に力を向けます。

  実技と理論併せて60分で仕上げるので、あまり理論に時間をかけると実技が落ち着いて書けなくなってしまいます。

 逆も考えられるので時間配分は予め決めておきます。

 全部不正解では困りますが、あまり1問にこだわらないでリラックスして臨みましょう。

   

  この本に試験例、過去問が載っています。

 

  この本は基本的な楷書、行書、草書の字体が載っています